失敗しない美容室選び
そんなタイトルのニュースを見かけました。しかし内情を知り尽くしている美容師の僕から見て疑問は感じました。
そこで、全く違う「技術屋」な視点から僕が思う上手な美容師の選び方を書いてみます。
①接客上手と技術上手は別
感じの良い美容師さんが人気が高いのは当然だと思います。しかし話上手でハンサムや美人だけど技術はいい加減な美容師さんに指名が多いのも現実です。
仮に変なヘアスタイルに出来上がったとしても、美容師さんの雰囲気に飲まれて「気に入りました!どうもありがとう」と次の予約まで取って帰った経験のある方も多いでしょう。だからこそ美容師は「技術よりも接客が大切」と思い込んでしまうのです。出来上がったヘアスタイルよりお客様との空気を一番意識している美容師はなんと半数を超えます。
②上手い美容師はクーポンを発行しない
もしあなたが美容師なら、人気があって常連様のご予約を泣く泣く断ることも多いのに、「ご新規様ご優待」なんて宣伝するでしょうか? クタクタになるまで働いているのに「割引しよう」と思うでしょうか?「価格が良心的」なのって、本当に良心なのでしょうか。カット料金が安くても美容師の給料も安いわけではないので、その分数をこなさなければなりません。所要時間ばかりを気にして仕事をしなければなりません。
技術にこだわりの強い美容師は流れ作業が嫌で料金の安い職場を絶対に選びません。残念ですがリーズナブルなサロンに上手な美容師がいないのは当然なのです。
③上手い美容師はSNSで見つかるか
一番上手い美容師は、あまりSNSやブログを書きません。忙しくて書く暇もないし、書かなくてもお客様が集まっています。集まりすぎても困るのでどうしても控えめになります。
一番下手な美容師もあまりSNSやブログを書きません。PRできるものがないので書くネタがないのです。
SNSやブログは「上手くなりたい」か「自分では上手いと思う」から書くのです。例えばパーマが嫌いな美容師がパーマの記事なんて書きません。もし、カラーばかり、みたいに特定のジャンルばかり記事を書いている美容師がいたら、一生懸命なのは間違いないですから大ハズレはないと思います。
しかし上記の通り腕の良い美容師はお金や
手間を掛けてまで自分の宣伝をしないので見つけにくいのです。
④上手い美容師はホットペッパーで探せるか
ある記事には「予約がいつも埋まっている美容師を選びましょう」と書いてありました。それは全く違うと思います。単にアシスタントがいないか、人と協力する能力がないから空きがない場合も多いです。また、ホットペッパーは非常に高額な有料広告サイトです。そもそもがうまい美容師はホットペッパーに載せないのです。ホットペッパーという枠組みの中で上手い美容師を探すのに無理があります。
⑤上手い美容師は口コミで見つかるか
あなたが忙しそうで大人気の美容師さんに満足なヘアスタイルを作ってもらったとします。口コミを書きますか?「余計予約が取りにくくなるかもしれない」と思うと躊躇してしまいそうです。
例えば僕自身も、外食をしたときに「こんなに美味しい店なのにヒマそうだなあ。潰れたら僕が困るから口コミでも書いておこう」と考えるでしょう。
最近の口コミが多いのは期待や心配で応援されている証拠、最近の口コミは少なく古い口コミが多いのは実績を積んでいる可能性が高いです。ただし「口コミを書いてくれたら割引します」というサロンも少なくないのであくまで参考程度に留めた方が良さそうですね。
⑥役職や美容師歴で上手い美容師は見つかるか
役職に関してはその基準がサロンによって違いすぎます。特に全国チェーン店みたいなサロンの役職は、上手いどころか管理職に就かせるため「半引退」になっている場合もあります。また、経験年数の多い美容師でも、経営や指導が仕事の主体になってしまって現場の意欲が下がってしまっている美容師では役不足な可能性もあります。古い常連様は大切にしていても技術に対する向上心は失っているかもしれません。何歳で意欲を失うかは個人差がものすごく、30歳で早くも退化する美容師から還暦になっても探究心バリバリのベテランもいます。若いのに才能が開花している美容師もいますから、役職や年数だけでは一概に言えないという事です。
⑦上手い美容師は「トリートメント」に力を入れたりしない
いろいろ物議を醸し出す 美容室のトリートメントですがどんな高価なものでも一時的な手触り以上の効果は見込めません。言い換えればその場の誤魔化しには便利なのです。仮に美容師が下手で縮毛矯正やカラーで過剰に傷んだとしても、トリートメントでその場だけは誤魔化せます。しかも代金はお客様持ちです。誤魔化せて儲かるのですから強引にでも
勧めたくなるのでしょう。上手い美容師に誤魔化しは要りませんし、実質効果がないだけに手間と時間の無駄なので「家でやってください」となってしまいます。
余談ですが、カラー後にトリートメントをすると、色が長持ちするどころかむしろ褪色の原因になってしまうのです。
⑧全部上手いとは限りません。
同業者からも一目浴びるカラーの達人美容師が、パーマをかけたら素人同然だった、なんて話もあります。
もし、迷っている美容室で予約前の相談が可能なら相談してから行くかどうかを決めた方が良いかもしれません。
もし、僕に相談したい方がいらっしゃいましたらteamSにご来店される意志がない方でもできる限りご回答いたします。
ただし、記事のネタにはさせていただくかもしれませんが。
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